厨房思案 第104話 「家康さん、重い荷物を背負っていくんですよね」

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

昨年は新元号が令和に改まり、消費税も上がり、その他にも世の中の仕組みというものが変化した年だったなぁ。 ウチもなんとか経営を続けているけれど、この先変化する時代についていけるかさっぱり見当がつかない。 父さん母さんの経営はいずれそう遠くない将来に終わりを迎える時代になるかもしれない。


昨年は働き方改革関連法というものが施行されて残業をする方が減ったようで、大抵夜9時からはサッパリという日が増えたように思う。 家賃を払い、子供さんや生活費にその他にも係る優先順位の高いものから差っ引いていくと、贅沢な食べ物やレジャー、趣味などは二の次三の次になるのは当然の成り行きだよ。 そういう中で、うちに来て大事なお金を使って頂くのは身も心も引き締まるけどな。

ところで、もう20年近くウチでは顧問の税理士の先生に毎月一回、月次報告会というのをお願いしているんだ。 まあ、うちのような規模ではほとんど行っているところはないらしいが、いわば体の健康診断の結果を知る会だよ。 良いところはは褒めてくれるし、そうでないところは改善を求められる。

クルマの買い替えは控えてくださいとか、原価率や経費などもうるさい。 棒グラフは年次の売り上げ推移も見ることができるし、上がったり下がったりするグラフは自分の成績評価を見るようで生々しい現実がある。 この先このグラフがどのようになるか、これも見当がつかないが、 新しい時代になんとかついていきながらも、右往左往しながらも歩んでいく他ないのである。


本店厨房にて 2020年 正月