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厨房思案 第二十二話


「THAT'S WHERE I AM」(−True story about 「くにもと」−)

よく外に食事に行くが、必ず食べ物以外にもその店の厨房とか、店の造りとか、場所、トイレなど細かい所から大まかに雰囲気なども感じとるのが好きで、そういうことをインプットしておくようにしている。

いつだったか友人のスーさん達と品川でイタリア料理屋に入った時などは、その広さと程好い空間に感動して、料理も美味しかったけどいまでもその雰囲気が心に残っている。 口に入れるものを造る場所と、それを楽しむ空間というものは、何もデラックスである必要はないが、造り手の人達のスピリットとお客さんのフィーリングが合うということはとても重要なことであると思う。

僕がまだ浜松町の駅前にある雑居ビルの地下で、あれは確か5坪位だったろうか、とにかく広くない場所で家内と2人「くにもと」を立ち上げて2年程過ぎて、もう少し広い所で仕事がしたいと、2人でよく深夜仕事が終わった後に物件を探しに車で明方近くまで、
西に物件があればすっ飛んで行き、東に居抜き物件があれば夜中だろうと明方だろうと車を走らせていた。 当時はアメ車が好きでカマロV8でどこへでも行ったが、挙動が怪しいとよく警察官の方々に職質を頂きましたな。

そんな折り、浜松町の近くに25坪程の貸し物件が見つかり、早速大家さんに交渉に行ったがなかなか返事が頂けない。 「審査する」とおっしゃって待てど暮らせど返事がこない。
僕も気が長くないので、その間もあちこちへ行って不動産の情報を探していたのだが見つからず、トボトボ歩いていると目の前にオンボロの(大家さん、すみません)東映の時代劇のセットにあるような一軒家を見つけたのである。
しかも浜松町に。
もちろんテナント募集中の看板も出ていないし、人がどうやらいるようだ。
「あ、これだ!」(第六感? はい、その六感です。)

おそるおそる戸を開けて
「大変失礼ですが、この建物を貸して頂けませんか?」とやったのである。

「ハアー!?」

次回へ続く。
(※今回は続き物です。次回のお話で完結です。)
於、千住スポーツ公園

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