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厨房思案 第四十四話
「次はどうする」

仕事をしながら段々と腕前が上がってくるのは今までコツコツとやってきた成果だと思うから、 それはそれで良いと評価はするのだけれど、これはおよそ厨房の中のことであって、
その腕前がすぐに御客様の評判となって商売の業績が上向く、ということは実は別のことであって、 なかなかそう直ぐにその効果が表れるということでもない。

見習いから入って、あれもできるし、これも大丈夫、なんだ簡単じゃないかと思いたくなる。
じゃぁ、次は何だ?とくる。
独立を目指しているのはなんとも頼もしいが、しかし将来の夢に水をさすようなことは云いたくない。 でも何故かこのままゆくと良くないと思うから時にはそのハナをヘシ折ってやるぐらいのことは云わなくちゃならない。 しかし何をどのように、どれをどういった具合にすれば商売が上手くいくかなどと云ったことは、この僕にもさっぱり分からない。
だから修行中の彼等に上手く伝えられないし、困ったものだ。

放っときゃいい、と思うこともある。
本屋に行ってどなたかのサクセスストーリーの本や立身出世の本、あるいは経済学の本をいくらめくっても分からない。
物事の良し悪しを口に出して云うのは簡単だが、彼等を成功に導く術など知らない。
仕方ないからここはひとつゆっくり見守るか、目に余る時はカミナリのひとつでも落としてやる、ぐらいしか僕にはできないのである。

このあいだミーティングでコーヒーが飲みたいと云うから、テイクアウトで注文すると
「3分です」と歯切れが良い。
しかし、空いている筈の店内で、要領がよろしくない。
その手際で結局3分どころか25分もかかってコーヒーを造ってもらった。
同じシステムと看板をかかげながら、チェーン店でもスムースな所とそうでない所は、人の手によって違ってくるからこれは仕方ない。 仕事の手ほどきは各店マニュアルで同じ筈なのに、意識の違いでその出来映えと満足度は月とスッポンになることだってある訳だ。

就職をして、仕事をもらい、ヘマをしながらも先へ進めばいいが、先へ進めない時もある訳で、その事情はさまざまだけど、 今、目の前にある仕事はどおせやるならエキスパートになるぐらいの気持ちでやってもらいたい。
”今のアタシは仮の姿でこれは仕方なしにやる仕事、後になって大きく化けるから今に見ていろ”とは通らないものだ。
今も後も若いウチは全力が望ましい。
その全力がパズルのように後々に上手く合わさってくるし、きっと顔つきがそれらしくなってくるのにな。

実力をつけて、いっぱしの、小さいながらも店を開けて独立をするということは夢があっていい。
しかしそれを継続して、だれかを養い生活をしてゆくということは、本当に地味な小さいことを積み重ねてゆくということであるから、 下積みはうんと味わってもいい。

次はなんだ?と問われれば、そうとしか云いようがない。
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