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焼肉の巨人達 その4

「オーナーの良い肉を売る、信じる心、僕はとても勉強になりました」

大阪の境筋本町(ホンマチ)は古くからの問屋街で、昔かたぎの商人魂が根付いている街でした。 2代目は性に合わないようなら息子には継がさず、長年勤めた番頭格が継ぐ。
それは、どうしても自分の息子には甘くなる為、その看板を守る為には涙を呑んで番頭にゆづる、 そんな気質の残る街でした。
商売にはキビシイ所です。

その一角にあった”焼肉の店 さかい”。
当時としては少し高い店、いわゆる高級店でした。
肉はオーナーの堺さんが牧場を所有していた為、最高の肉だけが店に運ばれて来ました。
例えばカルビ、これは三角バラだけ。 ロースはサーロイン、又は最上級ランプ。
あまり忙しい店ではなかったけれど。とても楽しかった気がします。

その頃にオーナーから「肉の目利き」を教わりました。
ある日、俳優の”森重久弥”さんが店に訪れて来た時、
帰り際に色紙を1枚書いてくれました。

16歳の僕でも、ジンと来る言葉だなと記憶しています。
今はヒマでも必ず忙しい店になるよって、励まし言葉のような気がしました。

オーナーの
良い肉を売る、信じる心、僕はとても勉強になりました。
  …… つづく ……
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