「焼肉くにもと・本店」全国優良銘柄牛生専門点

「脂は肉の旨み成分なのです」
『サシ』というのは肉の業界用語であり、これを『霜降り』と理解していただいてもいい。
“霜降り”。昔の人はよくこういう命名をしたものだと、文字にして書いてみると、つくずくこの表現力に感心する。

良い牛は頭から尻尾まで、サシが抜けているという言い方を聞いたことがある。 牛は頭、足四本、尻尾、内臓などを取り除き、骨の付いた肉を『枝肉』という状態で、その価値を査定する。 頭は取ってしまったので、その近くのネック(首)からロース、ひれ、 トモ付近(後ろ足)に至るまで、均等にこのいわゆる『サシ』が散りばめてあるかのように、 霜降りが抜けているのである。 これは本当で、何度もそういう買い物をした。
高かった。
とにかく、バランスがいい。脂が強すぎず、また弱すぎず個体全体に細かく霜降りが均等である。 しかし、これはなかなかたいへんなもので、おいそれと、このように牛が育つものでもない。
『当たり』なのである。
時として、無名の牛にこういうものに出会うが、その確率は期待できない。 かと言ってブランド牛でも、高いお金を払ってもハズレが全くないわけでもない。 まあ、ハズレと言っても、これはあるレベルでのハナシであるから、誤解の無いように。 フツーにオイシイですから。

お客様から赤身の肉というご要望がよくあるが、赤身肉と言っても、お客様の赤身肉の イメージはヘルシー、そして美味しいということが理解できる。 パサパサしたり、味がなかったり、赤いには赤いが硬くてかなわんというものでは困る。 牛の個体全体に及んだ、均等の取れた霜降り、脂を含んだ赤身肉は口の中でジュウーシーに広がるのは、 やはりこの霜降りというものが、この赤身肉を美味しくさせる要素なのである。 『脂』と霜降り、いわゆる『サシ』は別の意味であるが、美味しい赤身肉の旨み成分であることは間違いない。

焼肉くにもと本店厨房にて